マインドフルネスはもう古い?これからはマインドフルネスよりホールネスだ!

瞑想

こんにちは。

今流行っているマインドフルネス。

医療でもビジネスでもスポーツでもその効果がよく言われます。

本ブログでも以下のような記事を書きました。

マインドフルネスは一言でいうと意識的な気づき。判断をすることなく観察する心の状態です。

今回は、マインドフルネスにあまり囚われすぎるな!というお話です。

そもそもマインドフルネスって?

たとえば、豪華なステーキを見た時に「なんて美味しそうなステーキ!」とならずに「加熱された牛肉」と認識すること。

また「俺はなんてダメな人間なんだ」とならず「私は今、失望感を感じている」と認識することです。

僕も毎日20分の瞑想でマインドフルネスになる時間を取っています。その効果は科学的にも実証されています。

とはいえ、マインドフルネスブームであちこちでもてはやされて、ある意味マインドフルネス全盛の流れに、少し違和感を感じていたんですね。

そこで、「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」という本に、マインドルフネスにとらわれるな!という内容が面白かったので紹介します。

著者はポジティブ心理学者のトッド・カシュダンとロバートビスワス=ディーナー。

マインドフルネスよりホールネス

マインドフルネスは意識的に観察する状態です。反対に無意識に判断をくだしている状態を「マインドレス」と呼びます。

マインドレスは悪い意味で使われることが多いのが最近の流れ。

しかし、僕たちは普段マインドレスになっている方がどっちかというと多いはず。

これについて、著者いわく

人が多くの時間を「マインドレス(集中していない状態)」でいるように進化してきたわけは、意識的な思考をしている状態、つまり今この瞬間に起きていることを常に認識している状態では、情報処理能力がきわめて限られてしまうからだ

たしかに、なんでも意識を一つに向けて集中していたら情報処理が追いつかないですね。

この本では、マインドフルネスだけにこだわらず、「ホールネス(全体性)で行こうぜ」という主張になっています。

マインドフルネスだけじゃなく、マインドレスの良いところも生かしていこうというわけですね。バランスや調和が大切というのは、いろいろなところで良く言われることだったりします。

マインドレスのメリット

マインドレスにも良い点がたくさんある、というのがこの本の主張となっています。

著者はマインドレスを次の3つのタイプに分けています。

  • オートパイロット(自動操縦装置)を活用する
  • 衝動的に行動する
  • マインドレスに判断する

オートパイロットの活用

オートパイロットというのは、飛行機でいうと自動操縦状態。

マインドレスになると、頭の中でもオートパイロット状態になるんですね。

オートパイロットの一番の利点は、いちいち考えなくて済むということだそう。たとえば、初対面の人と会う時に「この人は信用できるか」というのを僕たちはほぼ無意識で行っているそうです。時間にして10分の1秒!?

まぁよく考えてみたら、いちいち意識を目の前に向けてマインドフルに観察しながら頭の中にある過去のデータベースを細かく取り出しながら、調べてたら時間がかかりますよね。

そこで、マインドレスが活躍するわけです。

よく知らない人と話す時に「この人なんとなくイヤだな」とか「この人は話しやすいな」と思う時、直感的に過去の情報を取り出して判断しているということですね。

しかも、驚くことにマインドレスに瞬間的な判断をした場合の研究だと約70%という精度になったそうです。こうなると単なる当てずっぽうとは言えませんね。

衝動的に行動する

普段、理性を働かせていると言いにくい本音は隠すのは自然なことですよね。

ただ、この状態だと本音を言えずよそよそしくなりがち。

著者によるとマインドレスになっていると、より率直でオープンになるそうです。

この本の中では、体も頭も疲れさせた人に人種的な違いについて自由に話してもらう、という実験の話が出てきます。人種の話はとってもセンシティブなので、だいたい気を遣って当たり障りないように話すもの。

疲労がたまった人はマインドレスになり、率直に偏見のない会話を楽しんだ人が25.4%も高かったとのこと。

マインドレスに判断する

マインドフルネスな状態は一つのことに集中します。

大量のデータを処理するときは、一つ一つ調べて吟味したり過去のデータを付き合わせたりして、最終的に一つの答えを出す流れです。

なので、時間がかかるし、脳内リソースをめちゃくちゃ使います。無意識にある膨大なデータを生かすこともできません。

これに対して、マインドレスになるとそういった制約がなくなるんだとか。

著者いわく

複雑な決断が必要な時には、まず意識上で情報を集めた後、意識的思考を中断し、時間をかけて無意識に選択をゆだねるのがよい。

これは催眠療法の考え方にも合っています。

催眠療法では、顕在意識と潜在意識に分けて考えます。そして、潜在意識にある記憶を最適化させていくセラピーです。

潜在意識は膨大なデータをマルチタスクで扱えると言われているので、こういった情報処理が得意なんですね。

まとめ

今回は、マインドフルネスだけじゃなくマインドレスも積極的に使っていこうというお話でした。

この「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」という本には、マインドフルネス以外だけでなく、ネガティブな感情の意外な効果や役割が新しい視点で書かれています。

また別の記事でそのあたりも書いていこうと思います。

ではまた!

だいがだいが

だいが

米国催眠士協会認定(NGH)ヒプノセラピスト。 あがり症克服や目標達成サポートをメインに活動中。最新の脳科学や心理学の知見をもとに、問題解決アプローチを行なっている。

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